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zoom RSS 臨床美術その2(ワークショップに参加しました)

<<   作成日時 : 2009/11/21 02:43   >>

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先日の日記で紹介した臨床美術というセラピーですが
http://hiroshi-s.at.webry.info/200911/article_3.html

体験ワークショップ(参加無料)があるというので、参加してきました。
質疑応答も含めて2時間〜2時間半で、臨床美術の基本的な考え方や技法を紹介するワークショップ。高齢者の認知症や発達障害についての予備知識が無い人や、心理療法として行われるセラピーについての予備知識の無い人にとっては、駆け足すぎる内容だったかも知れませんが、在る程度予備知識のある人や、知識はなくても、実際に、認知症のお年寄りや、発達障害の子供達のお世話をした経験のある人にとっては、臨床美術の「目から鱗が落ちる」ような特徴(いわゆる左脳を使って描いた絵と、いわゆる右脳を使って描いた絵の違いなど)を、実に単純明快に分かり易く紹介してくれるワークショップだったと思います。

臨床美術に限らず、いろんなセラピーで今でも使われている、右脳(感性の座)、左脳(知性の座)という分け方は、科学的にはでたらめなことが、今はもう、膨大な脳機能測定の結果から立証されているのですが(脳内の役割分担はそんな単純じゃない)、人の心を便宜上、知性(理性)と感性に分けて捕らえるやり方は、確かに、精神面でハンデを抱えた方々のケアにはとても便利なようです。臨床美術では、左脳(知性・理性)に頼らず、右脳(感性)をフルに活用せざるを得なくなるような課題の与え方と、上手な励ましによって、お年寄りの認知症や、子供の発達障害を改善します。まず右脳(言葉を介さない感性)を活性化させると、それに続いて左脳(言語能力など知的な機能)も改善するという、「急がば回れ」な臨床効果があるようです。

私が気になっていたのは、臨床美術の手法が整理され、セラピスト養成のカリキュラムが確立されたことで、本来、セラピーの目標を達成するための手段にすぎない(既存の)テクニックの継承が、目的化されてしまうのではないか?という懸念でした。

私は1990年代半ばから10年近く、メンタルケアに携わる専門職(医師やセラピスト)の方々と、一緒に仕事をさせていただいた経験があるのですが、その経験のさ中、臨床美術よりはるかに古い歴史がある、精神科領域の心理療法や音楽療法の世界で、テクニックの習得や継承が大事になって、特定のテクニックが通じる人しか診ない、特定のテクニックしか使おうとしない、テクニック毎の派閥形成、テクニックを巡る本流争い、というような、本末転倒なエピソードを、しばしば見聞きしていたからです。

セラピスト本来の使命は、セラピーの利用者の方が少しでも前向きな気持ちで生活できるように、利用者の方一人一人への理解に最善を尽くし、利用者の方一人一人に合わせて絶え間なく、あらゆる工夫を試みることなのに・・

なので私は、質疑応答に時間、ワークショップの講師に、
「臨床美術は、対象者の方に、いかに楽しんでいただくかを大切にしているところがいいですね」
と、遠回しに、テクニック偏重の危険性を尋ねたところ、講師さんもその危険は先刻承知で、(セラピスト育成の体制が整備された副作用として)今後、テクニック偏重に陥らないよう、常に注意が必要だと、おっしゃっていました。

その危機感がセラピストの間で共有されている限り、臨床美術は安泰だと思います。

それから、現在、臨床美術の指導をなさっている方々は、わざわざ口にはしませんが、臨床美術というセラピーが成立した経緯を聞く度に、その根底に、認知症や発達障害の症状を、「劣っている」と捉えるのではなく、症状もその人なりの、天に召されるまでの成長(成熟)の一過程として捕らえようとする、キリスト教的人生観があるのを感じます。臨床美術の創始者である金子健二さんはクリスチャンであり、臨床美術の開拓期には、関根一夫さんという牧師さんが、金子さんのパートナーとして大きな役割を担っていました。宗教には良い面も悪い面も、いろいろありますが、臨床美術は、キリスト教的精神の良い部分が、実を結んだ成果ではないかと思います。

ちなみに上の写真は、ワークショップで私が作った作品。いわゆる抽象画ですが、臨床美術では「アナログ画」と言うそうで、見えないもの(こと)をテーマに作品を作るときに使う手法だそうです。
で、この日のテーマは、「(沖縄の)黒糖を食べたときの印象」

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