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zoom RSS スパコン開発はダム利権と同じ

<<   作成日時 : 2009/11/23 23:38   >>

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先日の、行政刷新会議の「事業仕分け」で、事実上の凍結が求められたスーパーコンピュータ開発ですが、仕分け案をきちんと読めば分かるように、この計画は完成する見通しが無いから、予算を凍結して計画を見直すよう求めるという、極めて常識的な結論です。

菅副総理は、早くもスーパーコンピュータの予算維持を示唆していますが、
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%b9%a5%d1%a5%b3%a5%f3&k=200911/2009112200041
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20091123-OYT1T00611.htm
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%a5%b9%a5%d1%a5%b3%a5%f3&k=200911/2009112300405
これは完成しないものに国費を投じる八ツ場ダム造りと同じ構図です。今計画されているスーパーコンピュータを無理やり製造しても、完成する頃にはダム同様、時代遅れの無用の長物でしょう。ダム同様、永遠に未完成のまま開発が続くと喜ぶ勢力が居るのかも知れません。

既にネット上でも指摘が出始めていますが、この計画の前提になっている、(文部科学省が計画する内容の)スーパコンピュータ技術が日本のエレクトロニクス産業全ての基礎であるかのような話や、予算さえ認めれられれば所望の時期に、世界一の性能を誇るコンピュータが完成するかのような話は、予算確保のために描かれた幻想と言った方が良いでしょう。

コンピュータ・サイエンスの分野において、多種多様なアーキテクチャや、民間で開発された技術を組み合わせて高度なパフォーマンスを実現するアイデアが次々と発表されている中で、今計画されているスーパーコンピューティングが、長期的視野に立った日本の産業にどの程度貢献するのか?現在計画中のアーキテクチャが完成時点で更なる科学技術の発展を牽引する能力を持ち得るのかどうかは、話の前提ではなく、予算を計上する前に、再度検証し直さなくてはいけない問題です。

計画に記載されている波及効果、微細プロセス技術、省電力技術、高速・大規模ネットワーク技術、それらのインテグレーションなどはどれも、既にス−パーコンピューティング以外の様々分野で壮絶な開発競争が繰り広げられていて、スーパーコンピューティングがこれらの技術に決定的な恩恵を与えるかのような説明も、現在の技術情勢の下では、その信憑性を再検証しなければなりません。

先端科学分野では既に、様々な規模や構造のコンピュータ、あるいはコンピュータネットワークが利用されている中、気候変動の解明や新素材の開発など、大規模な演算に関しても、計画中のアーキテクチャのコンピュータでなければ世界をリードする成果が得られないのか?についても一切説明がないし、そもそも気候変動のような、人類全体への貢献を目指す研究まで、日本国自前の設備で行わなければならない理由も不明です。

ましてや「革新的な産業基盤の確立による産業競争力強化」に至っては、大昔の「神国日本」と同レベルの具体性しか読み取れません。国費を使うプロジェクトの説明書に、こんなスローガンが挿入されている事自体が異常です。

アメリカ政府は、たった2000万ドル(18億円)の補助金で、米国内の旧式スーパーコンピュータを、世界一の演算能力へ、リニューアルさせています。
http://wiredvision.jp/news/200911/2009111823.html
(ワイヤードヴィジョンニュース 2009年11月18日付け)

更に米国 Hewlett-Packard社は、世界最速のスーパーコンピュータの、更に1000倍の処理能力を持つ、エクサ(E、10の18乗)スケールのデータセンター建設を計画しています。
http://eetimes.jp/article/21302
(EETIMES JAPAN 2008年9月24日付け)

スーパーコンピュータの世界は既に、純民間のリスクで開発された市販部品(CPUなど)によって容易に世代交代させることができ、既存品の改造ではない新規の開発についても、純民間の予算で行われている研究が、行政の構想の先を行く時代になっています。


文部科学省のスーパーコンピュータ計画は、仕分けメンバーから指摘されている通り、開発に参加する予定だった3社のうち2社が撤退し、コンピュータの完成そのものが不透明になっているのですから、一旦予算計上を停止し、計画を根本から見直すのは当然のことです。 それが出来ないのは、表には出せない利権が絡んでいるからではないでしょうか?

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コメント(4件)

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http://ja.wikipedia.org/wiki/GRAPE

を見てください。用途を限定すれば費用をかけずに成果をあげることもできるのです。ご参考まで。またNASAの火星探査機のように予算が減らされたおかげで斬新なアイデアが出た例もあります(ロケット噴射の着陸システムをやめて大きなクッションで全体を覆いそのまま落とすことにした http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC)。関係者には限りある予算の中で何ができるかを徹底的に追求していくこととともに、社会に対する説明責任をしっかり果たしてほしいと思います。そうすれば「どんぶり勘定」的な予算要求もなくなると思うのですが…

今回は、「凍結に近い見直し」でしたか、変な言い回しをするから話がややこしくなった気もしますが…

ところで、

>アメリカ政府は、たった2000万ドル(18億円)の補助金で、米国内の旧式スーパーコンピュータを、世界一の演算能力へ、リニューアルさせています。

リンク先も見てみましたが既存のシステムをアップグレードするのと新規開発では一概に比較できないのではないでしょうか。私の素直な感想は「アップグレードするだけでそんなにかかるのか」なんですが…
GRAPE
2009/11/25 00:00
コメントありがとうございます。
GRAPEは、新聞でも時々取り上げられていましたね。あらためてWikiを見ると、コンピュータ(CPU)と言うより信号処理回路(DSP)に近いマシンなのかも知れませんが、クロックやI/Fの周波数を見ると、「えっ、今時?」という感じで、周波数が低いということは、けっこうエコなマシンなのかも知れませんね。

マーズパスファインダーの着陸機構は、昔テレビ番組で見た記憶があります。

>「アップグレードするだけでそんなにかかるのか」なんですが…
確かに。これはこれで問題なのかも知れません。

さとうひろし
2009/11/25 00:42
>一旦予算計上を停止し、計画を根本から見直すのは当
>然のことです。 それが出来ないのは、表には出せな
>い利権が絡んでいるからではないでしょうか?

なんでもかんでも「利権」の一言で片づけてしまうが
すっかりなじんでしまいましたね。
技術のことご理解されていますか?
日進月歩で発展する技術レースからいったん降りれば、
次に追い付くためには現状と比較にならないほどの費用と人員が必要になります。
比較として過去の日本の航空機開発史などお調べください。
数年のブランクで日本は世界有数の航空機技術を失い、現状でも回復されていませんし、航空機利用のみならず航空機開発でもアメリカのいいなりになっています。
マッチポンプ
2009/11/27 15:57
>技術レースからいったん降りれば、
そもそもスーパーコンピュータ開発で、日本が技術レースに参戦していると言える状況なのか?
が問題です。

後追いに国費を使うのが良いのでしょうか?
文科省 基本計画特別委員会(第4期科学技術基本計画)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu13/gijigaiyou/1279783.htm
でも、
IT技術(スーパーコンピュータもその一部)はアメリカの発想を真似ているだけだから、基礎研究を重視しなければいけないという意見が出ています。

スーパーコンピュータもロケットも、すでに基礎研究の次代は終わり、商品レベルの競争時代ですから。
航空開発も、昭和初期に一時、軍事目的に多大な予算が使われた時代に、日本の航空技術が極めて部分的に欧米をリードした時期がありますが、そもそも航空産業が日本の実情に合っていたのか、いるのか?議論する必要があるでしょう。

アメリカで花開いた産業を後追いすれば良いというものではないでしょう。ましては今後の日本は、生産年齢人口が急激に低下し、投資力勝負の開発には、マクロ的に不向きになって行くのですから、そうしたトレンドも考えて、未来への投資を考えル必要があると思います。
さとうひろし
2009/11/27 16:06

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