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zoom RSS 様式、スタイル、方法論に本質無し

<<   作成日時 : 2010/08/09 00:11   >>

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20世紀中は、新しいスタイル、新しい表現法に興味深々で、いろいろ勉強(といっても学校に行った訳じゃないですが)していた私ですが、今世紀に入ってから、少しずつ認識が変わりました。

スタイル、様式、手法の類、それ自体に本質が宿っている訳ではない。それらは良くも悪くも道具に過ぎない。道具の発明自体には創造的価値があるけれど、その栄冠は、発明に至るまでの挑戦をした人たちだけのもの。創造性とは、発明という結果ではなく、そこに至るまでのプロセスのこと。

とりわけ芸術について、極論を言えば、作品そのものが芸術な訳じゃない。作品の完成に至るプロセスが芸術であって、作品は、過ぎ去った過去の痕跡。常に途中経過でしかない(コれは、10年以上昔、factory COREの主宰から教わったことなんですが、ここ4〜5年、実感を持って理解できるようになりました)。

それぞれの道具毎に、道具マニアをある程度の数集めてお金を回すのが、現在の(少なくとも日本の)芸術界(視覚芸術だけじゃなくて音楽業界も。特にアカデミックな世界は)の、もっとも典型的な広め方ですが、そういうことをしてるから、彼らが嫌う商業主義に席巻されてしまう。なぜかと言えば、彼らの言う「芸術の認知・普及」も所詮は商売だから。

では、今までに無いものを作ろうとすれば、それだけで創造や芸術になるかと言えば、世の中そんなに甘くはない。やるべきことから逃げたのを正当化する言い訳でやってるなら、それは単なる悪あがき。

しかし、「逃げ」を「表現」とか「芸術」とか称して(「アート」というカタカナ表記を使うケースが多いですが)金を巻き上げている連中がいかに多いことか。

逃げてる人は過去の経緯を理解しようとする姿勢が弱いので話を聴くと分かります。学歴のある人は、様式・形式論をあれこれいじって、自分の「逃げ」を創造のように見せかけますが、芸術そのものである先人達の生き様についての考察が薄っぺら。先人の生き様をどう理解しているのか?そこから出てきた「だから俺(私)はこう生きるんだ」が無いんですよね。

なので、たまたまウケたスタイルを未練がましくひきずるか、はたまた自分の仕事について総括もなく、青い鳥を探すように次々いろんなスタイルに飛びつく。残念なことに、コンテンポラリーとか、現代**とか、パフォーマンスとか即興を看板に掲げている連中(特に後ろの2つ)の大半は、逃げでやっているようにしか見えない昨今。先週も新宿の老舗ライブハウスで、そんな「逃げ」の人達が仕切っている音楽業界の現状を垣間見るようなライブに出くわしてしまいました。

”PIANO DUO 3NIGHTS+1”と銘打った4日間のピアノ・デュオコンサートの2日目。「即興ピアニスト・コンポーザとして世界中で活躍を続ける二人・・」という華々しい能書きかチラシに書かれていたピアノデュオのコンサート。1st.ステージの即興は、小細工したピアノ(昔懐かしいプリペアド・ピアノ)で、ジャズ系即興によくありがちな、指をちょこまか動かす演奏。今更こんなことしてどうするの・・・?かといって彼女達の演奏には、クラシック音楽的な繊細な美しさも無い。ピアノの小細工が取って付けたように浮くばかり。これなら日本で活躍中のスガダイローの方が遥かに上。若手の石田幹雄でも、彼女達よりは上でしょう。

2nd.ステージ前半は、外人さんの方のソロ演奏。見事なまでにキースジャレットのソロコンサート風(なれど本家よりはるかに見劣りする)。この外人さん、コンテンポラリージャズの世界では、知名度のある人らしいですが、とうの昔に旬が終わっている印象は否めませんでした。その後のセッションは、ブラスのゲストも加わったものの、相変わらず取って付けたようなプリペアド・ピアノや、取って付けたような無意味言語を喋りだしたりのお遊び。こういう大昔の小技を取って付ければコンテンポラリになると思っているのか?聴いてて不憫になる位、安っぽい展開。技量についてはプロとして全く問題なさそうな二人だけれど、彼女たちの音楽の”核”はいったい何なのか?ひょっとしたら、最初の方で書いた、ある種の「道具マニア」の方々のためのライブだったのかも知れませんが・・?

日本人の方のMCも、相方の外人さんの来日スケジュールを「滅多に聴けない」「非常に珍しい」と、不自然なほほど持ち上げる。その夜の演奏は珍しくもなんともない内容だったが・・彼女が相方の来日コンサートを企画しているのか?

いずれにせよ、こういう、裸の王様相手の商売はやめないと、ライブハウスもミュージシャンも共倒れでしょう。若い人達にとっては、老舗ライブハウスの高くて空しいライブより、1500円位で聴ける、仲間内の対バンイベントの方が、よほど新鮮で楽しいでしょうし、実際、勉強になるかも知れません。以前の日記にも書きましたが、最近の若手主体のイベントは、ベテラン顔負けのプレイをするバンドが珍しくありませんから。


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