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zoom RSS 2/17追記:米英よりも好戦的だった日本のイラク戦争報道

<<   作成日時 : 2011/02/12 18:24   >>

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昨日、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」主催のシンポジウムに参加してきました。
http://iraqwar-inquiry.net/?p=678840820
イラク戦争への協力が、適切だったか否かの検証を行う事は、国会で議決済み(2007年イラク特措法延長の付帯決議として)なのですが、未だ実施されていません。一方検証実施済みのオランダでは、米軍のイラク侵攻とそれへの協力は違法だったという結論が既に出ていて、英国でも検証委員会がブレア元首相など関係者への喚問を続ける一方、委員会権限で、イラク戦争に関わる文書を、公文書のみならず個人宛のメモやEメールも含めて一般公開するという、徹底的な情報開示が進んでいます。

今回のシンポジウムは、イラク戦争検証議員連盟が正式に発足したのを受けたもので、イラク戦争(米軍のイラク侵攻)自体についての法的、人道的問題について、特別新しい情報はなかったのですが、イラク戦争に対する日本のメディアや政府の姿勢について、いくつか新たな報告がありました。

アジアプレス代表の野中章弘さんからは、NHK放送文化研究所が集計した、イラク戦争に関する各国メディアの報道姿勢について報告がありました。
同研究所が2004年に発行した年鑑によると、イラク戦争に関するテレビ報道のうち、イラク市民の被害を扱った報道が、米国ABC放送(World News Tonight)やBBC放送(10 O'clock News)では3番目に多かった(1位は米軍の動き、2位は米政府もしくは英軍の動き)のに対し、テレビ朝日(ニュースステーション)では4番目、日本テレビ(きょうの出来事)では6番目、NHK(ニュース10)およびTBS(NEWS23)では8番目。フジテレビ(ニュースJAPAN)に至っては全く報道しなかった実態が明らかにされています(ただし米国のテレビ局全てがイラク市民の被害を報じた訳ではなく、Fox News では日本のフジテレビ同様、調査対象期間中全く報じなかったそうです)。

海外主要メディアと比べ、日本のテレビ局は、イラク市民の被害を伝えなかったこと。
とりわけ、
フジ・サンケイグループはイラク市民の被害を全く報道しないという特異な報道姿勢であった点に
注意を払うべきでしょう。

今回のシンポジウムでは、陸上自衛隊情報保全隊が、市民やジャーナリストの行動を監視・記録し、独断で「反自衛隊活動」を記録していた問題も取り上げられ、この監視活動には法的根拠は無く、情報保全隊の監視活動が、シビリアンコントロールから逸脱している実態が、指摘されていました。

その他今回のシンポジウムでは、フリーディスカッションの場で、今後の運動方針について様々な意見が出ましたが、イラク派兵差止訴訟原告の池住義憲さんから提案のあった、国会でのイラク戦争検証は、政府がイラク戦争支持に至った経緯の検証と、自衛隊のイラク派兵に至った経緯の検証(誰が、いつ、どんな情報に基づいて、どんな理由で、どんな法律に従って、どんな権限に基づいて決定を下したのかを明らかにする)に的を絞るべきという考えは、非常に効果的ではないかと思いました。

他のパネリストからは、イラクにおける自衛隊の活動内容や、戦争支援(結果的に米軍による虐殺やイラク国内の混乱を後押し)との間に優先順位を付けることへの疑問も出ましたが、池住さんが提案した2項目について、まず政策判断の善悪を判断するための事実関係を明かさない限りは、他の問題についても、政策判断としての是非を議論できないのではないか(倫理観による水掛け論に終わってしまうのではないか?)と思います。

会場から、イラク戦争の検証より、アフガニスタン(政府の腐敗や米軍による虐殺を助長する)復興支援や、ミサイル防衛計画を中断させる方が優先度が高いのでは?という意見も出ていましたが、そのためにもまず、米軍が起こした戦争に対して日本政府が行った対応の是非を、法的な根拠から検証する作業が必要だろうと思います。

また、今回のパネリストの一人である孫崎亨さんは、9.11以降の米国が、国連憲章に定められた自衛のための戦争を逸脱し、将来の脅威(になりそうな要素)を事前に破壊するための一方的な侵略(イラク攻撃など)を政策として定めた点と、日米の同盟関係が、2005年締結「日米同盟未来のための変革と再編」を機に、自衛隊を米国の政策(米国外への一方的な攻撃)に組み込む方向に変貌した点をh指摘し、イラク戦争検証は、今後の日米関係をどうするかを考えるために不可欠である(歴史は過去を知るためではなく、現在と将来を考えるとために学ぶもの)と、何度も述べていました。この視点からも、池住さんの提案は重要だと思います。


余談:
孫崎享さんが、ツイッターやフェイスブック等ソーシャルメディアを利用した市民パワーの盛り上がりについて、非常に楽観的な見通しを述べたのに対し、ジャーナリストの野中さんはじめ、具体的な社会問題に取り組んで来た経験の長いパネリストの方々は、日本の市民(世論)の変化については、極めて慎重な見通し(ソーシャルメディアが普及しても社会に高い関心を持つ日本人はごく一握りにとどまる)を語っていたのが印象的でした。


追記:
アメリカ政府が、全く嘘の話を理由にイラク攻撃を決定した経緯は、菅原出さんの著書「戦争詐欺師」
http://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E4%BA%89%E8%A9%90%E6%AC%BA%E5%B8%AB-%E8%8F%85%E5%8E%9F-%E5%87%BA/dp/4062153424
に詳しく掲載されていますが、2月16日には、英国の新聞紙上で、その経緯の一部(ラフィド・アハメド・アルワン・ジャナビ氏がフセイン政権を倒すため嘘の情報を流した事を認めた)が、改めて報じられたようです。
http://www.afpbb.com/article/war-unrest/2785653/6823689

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