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zoom RSS ”コンテンポラリ”の現場を知っている人達(その1)

<<   作成日時 : 2012/01/15 01:50   >>

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昨夜(1/13)横浜のライブハウス”エアジン”で行われた、Marcos Fernandes, ナガイ ショウコ, さがゆき の3名によるセッションは、日本では滅多に無いかも知れない、音楽性豊かな コンテンポラリ・ミュージック(現代音楽)のライブでした。

日本で”現代音楽”と言うと、”音楽”と呼ばれている表現に接して得られる感動を、わざわざ否定するような表現を崇めるような風潮もありますが、ニューヨークで、ピアニストとしての演奏や映画向け作曲の傍ら、現代音楽分野の作曲・演奏(実演)を続ける ナガイ ショウコの作品演奏が中心となったこの日のライブは、ジャズ(特にフリーインプロビゼーション)や民族音楽(邦楽のような堅苦しい上流階級の音楽ではなく祝祭で民衆を沸かせるような音楽)を楽しむようなノリで、そのまま楽しめそうな内容でした。

”作品”の演奏ですから当然、譜面はあったのですが、作曲者のナガイ以外の二人にとっては本番でステージに立って初めて見る譜面。要するに、敢えてぶっつけ本番で演奏に望んだのですが、譜面の指示に従って演奏しているような堅苦しさが微塵も無い、卓越したジャズメン達の即興のような、緩急自在かつなめらかな展開。

作曲者のナガイは、演奏技能が卓越している上(その時点で、クラシック崩れで現代音楽に逃げてきた連中とは大違い)、どんなにトリッキーなことをしても激しい音を出しても、視野狭窄に陥るような息苦しさが微塵も無く、常に開放的でおおらかさえ感じさせる演奏。それは恐らく共演者の一挙一動に反応するセンスが卓越しているせいもあるのでしょう。演奏が始まる前、ピアノにいろいろ”プリペアド”な仕掛けがしてあったので、何かまた小難しくてクソおかしくもないことやらかすんじゃないかと、個人的には内心気になっていたのですが、結果的には全くの杞憂でした。
(1st. ステージ終了後、ピアノの仕掛けをよく見た所、離れた所に張られた(音高がかなり異なる)2本の弦を、それぞれ、フレキシブルな金属アームの付いたクリップでつまみ、金属アームの反対側には圧電素子らしき円盤状のセンサ付いていました。その圧電素子らしきセンサの出力が(恐らくシリーズ接続された)2台エフェクタボックスに接続されていて、クリップでつままれた弦が振動すると、パーカッションのような音が出力される仕掛けになっていました。)

ヴォイスのさがゆきは終始、まるで彼女が普段やっている完全即興(Abstract)のように柔軟で自由な表現。本人曰く、若い(スタンダードジャズ専業だった)頃、先輩から、譜面を一度目を通しただけで頭に叩き込む(さがゆき曰く”3秒ルール”)という荒行を仕込まれたおかげで、ぶっつけ本番には慣れているとのこと。実際には、声ばかりか、(恐らくは譜面に記載されていないであろう)持参した鳴り物の数々を駆使しながらの、つまり初見の上にアドリブを交えてのヴォイスパフォーマンス。

この日はパーカッション、というより、各種鳴り物担当だった Marcos は、自身が前面に出ることはせず、ピアノとヴォイスとをなめらかにつなぐ潤滑油役に徹したプレイ。この3人が初顔合わせ、かつぶっつけ本番であるにも関わらず、絵画に例えれば必要にして十分な余白を残しながらの背景描写。

生演奏家としての表現力に富んだプレーヤ達によるコンテンポラリは、コンテンポラリだからと言って、特別な聴き方や予備知識が求められる訳ではない。人の手で演奏される必然性のあるコンテンポラリというのは、そういうものだということを、再認識させられたライブでした。

そして本番終了後、

現在一時帰国ツアー中のナガイ・ショウコが現代音楽を志向しているミュージシャンであることや、バークリー音楽院で、体系的な専門教育も受けたという過去から、話題は現代音楽事情へ。かつては交響楽団にトランペッターとして在籍し、ヨーロッパでの現代音楽演奏経験も豊かな、エアジンのマスター梅本さんの昔話が、これまた面白い話ばかりでした。

その2へ続く

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