さとうひろし 一有権者のブログ 

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zoom RSS 急いては事をし損じる(安易な投票は慎むべき)

<<   作成日時 : 2012/02/05 23:24   >>

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 脱原発を目指す人達の一部が、全国各地で原発の賛否を問う国民投票を実現させようと運動していますが、彼らのインターネット上の言動を見ると、不思議なことに(恐らく彼らの多くは自覚すらしていないのでしょう)、国民投票を行えば、脱原発を支持する票が圧倒的多数を占めることを前提に、話をしているようにしか見えません。少なくとも賛否が拮抗、ましてや脱原発票が過半数割れする事態を想定した発言は、私の知る限り全く見当たりません。

 国民の生活に重大な影響を及ぼす政策は、国民投票で決めるべき、というのは確かに一つの理想論です。しかしそうであるなら、その結果がどうであれ民意として受容する覚悟がなければなりません。
 原発政策の国民投票を進めている団体「みんなで決めよう「原発」国民投票プロジェクト」のホームページを見ると、確かに表向きは、現状の原発政策に対して賛成の人にも反対の人にも、投票を呼びかけています。

 しかしこのホームページに記載された賛同人を見ると、脱原発に向けた言論活動を積極的に展開している人達ばかりで、少なくとも私の知っている限りでは、彼らの中に、自分の個人的主張(脱原発)にそぐわない投票結果が出た場合も、それを受け入れよと呼びかけている人は、誰一人としていません。原発存続の賛否を国民投票で決めようといいながら、片一方の結果(脱原発票が原発存続を望む票を上回る)のみを願う発言を繰り返すのは、論理的に明らかな不整合があり、投票が実現すれば脱原発が進むかのうようイメージを(故意ではないにせよ)振りまきながらボランティアを動員している主催者、賛同者達の言動は、社会運動というより扇動(結果責任を負う覚悟があるのか疑問)に近い、慎重さを欠いたものではないかと思います。

 インターネット上を飛び交う脱原発派の情報発信を見ると、あたかも脱原発を求める国民が急速に増加しているような印象を受けますが、脱原発を支持している私でさえ、現実世界で人に接すると、脱原発については、どうひいき目に見ても賛否が拮抗。つまり、原発を推進する側から見れば、未だ多くの国民がこれまでの政策を支持している(積極的ではないにせよ)状況にしか見えません。

 このような状況下、原発政策の是非を問えばどうなるか?

 上述の、みんなで決めよう「原発」国民投票プロジェクトが、自らのHP上(のQ&A)で公開している投票案は、
>1) 現在ある原子力発電所について、これをどうすべきだと考えますか?
>□ 運転、稼働を認める □ 段階的に閉鎖していき、2022年までにすべて閉鎖する
>2) 原子力発電所の新規建設についてどう考えますか?
>□ 認める  □ 認めない
というものですが、確かに、設問1)で段階的閉鎖への賛成票が圧倒的多数を占めれば、日本の脱原発政策は前進するでしょう。

 しかし、設問1)、あるいは設問2)で、票が分かれて(6:4〜4:6程度)しまった場合、その結果は原子力発電をこれまで通り推進しようとする勢力から見れば、未だ多くの国民から原発推進政策が支持されている事を示す証拠であり、それが政治利用されれば、脱原発の動きは停滞するどころか、ようやく新規原発の稼動に歯止めが掛かった現状から逆行する危険さえあると思います。また投票実施となれば当然、原発推進側の手で、これまで以上に大掛かりな、原発推進キャンペーンが繰り広げられるでしょう。

 明確に脱原発を訴える人達が賛同人に名を連ねる「みんなで決めよう「原発」国民投票プロジェクト」ですが、果たして今、国民投票運動にエネルギーを注ぐことが、脱原発運動を支えることになるのでしょうか?

 私はこうした疑問を、国民投票を支持する署名を呼びかけている何人かに投げかけて見ましたが、殆どの人(ツイッターで支援を呼びかけているプロジェクト事務局も含めて)に黙殺されました。中には「大量の署名が集まっても、簡単に行政が動くとは思えないから」と、投票が実現した場合の話題を避ける支援者さえ居ました。

 民主主義の理想として、有権者による直接投票という意思決定手法があるのは確かです。しかしそれは、投票者全員(とはいかないまでも大多数)が問題について責任ある判断を下すための十分なリテラシーと情報と、結果責任を負う覚悟を持っていることが大前提です。

 今の日本に、原発問題に限らず、国民投票の前提となるリテラシーや責任感が定着しているでしょうか?ましてや原発問題では、判断に必要な情報が有権者に定着しているでしょうか?

私はそうは思いません。

 何を論点にすべきかをあいまいにしたまま相手を叩く術に長けた人間や、わざわざメディアを読んで現実の国際情勢などお構い無しに核武装を主張し民族蔑視を煽るような人間が、有権者から高い支持を受け大都市行政の長に就くような国に、国民投票に必要なリテラシーが広まっているとは、とても思えません。

 原発問題については、リスク判断に必要な情報の浸透が、今、何よりもエネルギーを割かなければいけない課題だと思いますし、国民投票に関しては、その前提となる、リテラシーを高めるための勉強を広めたり、教育行政の改革を求めることが、優先されるべき課題ではないかと思います。このブログも、私自身が、自らのリテラシーを高めるための勉強として、更新を続けています。

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