さとうひろし 一有権者のブログ 

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zoom RSS パッシングを仕掛ける政治家達

<<   作成日時 : 2012/05/27 21:38   >>

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お笑い芸人の河本準一氏の母親が、生活保護を受給していたと、大きな騒ぎになっていますが、冷静に考えるとこれは違法行為でも何でもなく、稼ぎのある息子に扶養してもらわないのがけしからんという、必ずしも普遍的とは言い難い価値観に基づくパッシングです。ましてや相手は公人ではなく、芸能人の母親とは言え一般人です。このような事実上のリンチを、自民党の国会議員(片山さつき)までもが率先している異常さに、私たちは気づくべきでしょう。

そもそも親族に扶養させるという考え方自体、その是非を問わなければいけない問題です。日本国憲法では婚姻を当事者の合意による(親族の都合は関係なし)と定めていることからも分かる通り、少なくとも建前上は、世帯を分けて暮らす人は互いに独立した存在であり、社会保障も本来は、世帯単位、あるいは個人単位で考えるべきものです。基本的には、親族の年収は関係ありません。扶養義務というのも基本的には社会的に自立可能な段階にまで成長してない未成年を、成人(通常は親)が守り育てる義務のことで、その義務も、義務を果たせるよう社会制度がサポートするのが大前提です。扶養者の経済状況や、被扶養者の発達過程にハンデがあるなど、特別な事情があるときは、個人ではなく社会制度が扶養義務を果たさなければいけないのも、言うまでもないことです。

もちろん日本には、親族が弱い者(特に年長者)の面倒を見るという慣習があり、その慣習のおかげで安定を保ってきた地域社会が数多くある事実は否定し難いので、その慣習も軽視はできませんし、私も感情的には、裕福な子供が貧しい親を扶養しないという話を聞けば、釈然としない印象を持ちます。ただしこうした価値観に基づく親族の扶養はあくまで、配慮した方が良い場合もある慣例の中ひとつに過ぎず、強制すべき規範ではないし、ましてやルールとは言えないでしょう。

今回、報道されるや否や、自民党の片山さつき議員が率先して行った、河本準一親子へのパッシングは、その直後に小宮山厚生労働大臣が、生活保護関連法の具体的な改定案(支給額の10%削減、扶養困難の立証責任)を発表するなど、偶然にしては出来すぎの、タイミングの一致があります。河本氏の母親の生活保護受給は、マスメディアが報じる前から、生活保護制度を変更する口実に使うパッシングの材料として、あらかじめ狙いをつけられていた疑いもあります。少なくとも、生活保護の適用規制や支給額減額を考える勢力が、スケープゴートを探してた可能性は充分に有り得ます。
http://mainichi.jp/select/news/20120526k0000m010086000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20120526k0000m040123000c.html

(情報源を確認できない話ではありますが)、扶養義務については、以下のような指摘もあります。
「日本の生活保護申請時に、家族への扶養困難証明が義務化される話を相方(米国籍)に話したら眉を寄せた。理解不能。「独立してるんだから、家族に連絡取ること自体わからない。責任は申請当事者にしかないじゃん」→当然の回答。アメリカでは扶養義務はないし、そんな考えも浮かばない。」
https://twitter.com/#!/ChieMatsumoto


また、一連の報道は、日本の生活保護制度が、あたかも不正受給で脅かされているような印象を与えるものですが、実際には、本の生活保護受給率は、2011年で1.6%であり、ドイツの9.7%、フランスの90%以上など、諸外国と比べても異常に低いことを、弁護士の小山哲氏がツイッターで報告しています。

つまり統計上、日本の生活保護は、不正受給よりも、本来生活保護を受けるべき人に保護を与えない、不法かつ非人道的支出切り詰めの方が、桁違いに大きな問題だということです。

ところで、河本親子への批判を率先した、自民党の片山さつき議員は、河本さんの母親に、受け取った生活保護費を返納させましたが、これには法的根拠はありません。国会議員が法的根拠のないことを一般市民に要求(表向きは提案という言い方ですが)する事が、果たして容認されるのでしょうか?
河本氏の母親の生活保護需給は、福祉事務所の承認を経て支給されていたことが、既に明らかになっています。
http://mainichi.jp/mantan/news/20120525dyo00m200017000c.html

更に片山さつき氏は、自身のパッシングを正当化するために、吉本興業所属の芸人に過ぎない河本準一氏を、「公人」であると、社会通念から逸脱した独善的主張をしています。どんなに有名になった人であっても、法に基づく社会的権限が無い限り、公人にはなり得ず、私企業の従業員に過ぎないお笑い芸人は、紛れもない私人です。
http://mainichi.jp/sponichi/news/20120526spn00m200002000c.html

このような、国会議員による、社会通念から逸脱した行動(事実上の、特定の一般市民に対するリンチ)が批判されない日本の政界の不健全さにも、私たちは注意すべきでしょう。


NPO法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事である稲葉剛氏は、この騒動についてツイッターで、
「「生活保護の前にまず扶養」「発達障害を家庭で予防」…。DV、虐待、子どもの貧困、自殺、引きこもり、介護、障がい者の自立生活など、この数十年間、私たちの社会は家庭内に押し込められてきた問題を一つずつ外に出すことで社会の責任を果たそうしてきた。その時計の針を戻すのは誰か?」
生活保護と最低賃金はリンクしている。今回の河本氏の件で生活保護の基準を下げることは、同時に最低賃金も下がることに繋がる。すると、社会的に弱い立場の方の賃金、パートや派遣の賃金はもっと下がる→相対的貧困率がさらに上がる→負のスパイラルに。雇用と社会保障はセットで考えるべき!」
と、パッシングの背後にある政治動向に警鐘を鳴らしています。

また同じくツイッターで、河本準一氏の母親へのパッシングで隠蔽されかねない問題として、
「横浜市ケースワーカー「不正受給ばかり問題にされているが、ケースワーカー側の説明不足が原因になっていることが多い。収入申告などの制度が複雑で、新米ケースワーカーは自分でもわかっていないことがある。」」
と、本来議論しなければならない問題点を、具体的に指摘しています。

私たちは、パッシングで人気を稼ぐ政治家に惑わされることなく、本当は何が問題なのか? 落ち着いて考える必要があると思います。片山議員による、あまりに見え透いた扇動と、それに応じた小宮山厚生労働大臣の言動については、早速慎重な対応を求める提言がなされています。
http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/blog-entry-33.html

追記:
片山、小宮山議員が茶番劇で隠そうとして生活保護の実態が、下記で報じられています。女性が生活保護申請に来ると、「体で稼げ」と言って申請受理を拒否する、一部自治体の対応は、隠蔽されている違法行為の、氷山の一角でしょう。
http://diamond.jp/articles/-/19744

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コメント(4件)

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問題の本質を理解しておらず、論点をすり替えているだけ。
しかも陰謀説とかアホすぎw
こういう奴が顔真っ赤にして河本を弁護してるのをテレビで良く見かける。
何だろうね、この国は。
(まぁコメントは表示されないのでしょうが)
こういう記事はバカばっか。
2012/05/28 03:44
>(まぁコメントは表示されないのでしょうが)
ちゃんと晒しておきますのでご心配なく。

>論点をすり替えているだけ。
その言葉そのままお返しいたします。
さとうひろし
2012/05/28 10:43
日本の生活保護受給者に対するパッシングは悪質で陰湿で悲惨だ。日本は貧困層にはなにやってもいいという風潮がある。生活保護受給者はそもそも貧困層で生まれ育った環境が劣悪で体や精神を壊してしまった人が大半だ。憐れむならまだしも、侮蔑され、嘲笑される対象ではない。ほかの先進国でならあり得ない。生活保護受給者が自殺に追い込まれるしかない、貧困層が当たり前に殺される国。貧困層を生け贄の羊にしたって日本は変わらないのに、いつまでこんな茶番劇続けるんだろう?
あかり
2013/07/23 23:31
生活保護受けるなら自殺しろ!とDV被害者の女性に怒鳴りつける。日本の生活保護じゃ当たり前の光景だ。福祉の教育も研修も受けてない素人が色んな部署から保護課に来て数年で移動する。ケースワーカーは生活保護受給者になにやってもペナルティなし!生活保護受給者が死んだら大喜び!それが日本の生活保護だ。福祉のサービスを受ける事は先進国なら当然の権利だ。生活保護受ける貧困層じゃなくて責められるべきは既得権益ベッタリの政治家官僚役人政財界のゴミ屑だろうが!日本は人権後進国だ!他の先進国と比べてみれば一目瞭然!
武田
2013/07/27 06:55

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