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<<   作成日時 : 2012/12/24 04:28   >>

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先週のことになりますが、12/19に地球環境パートナーシッププラザで開催された、ユン・ホソップ(Yoon Hoseob)氏の講演を聴講してきました。環境問題への配慮を訴えるデザイン”Green Design”の指導者かつパフォーマとして、長年国内外で数多くの実績を積み重ねて来たユン氏が開口一番語ったのは、自身に対する”反省”でした。

2010年、チリを大地震が襲った際、ユン氏の元にも国際NGOからすぐに復興支援の募金要請がきたそうです。ユン氏はさっそく、被災者のための行動をはじめましたが、その後しばらくして、チリ地震で被災した(人間以外の)動物を救援するための募金要請が届いたとき、ユン氏は、自分の頭が、人間のことでいっぱいになっていたのに気づいたそうです。

長年環境問題に取り組み、生態系破壊の問題にも長年関わってきたはずの自分が、いざとなると動物のことを忘れてしまう。これは大変バランスが悪いと、ユン氏は反省したそうです。彼はまず、チリ地震によって気づかされた、自らの思考のバランスの悪さを反省する弁を述べた後、自身や教え子たちの業績の紹介をはじめました。

この講演会は、同じ会場で開催されていた”グッドデザイン =グリーンデザイン”展の一環として開催され、同展では韓国国民大学のグリーンデザイン講座(ユン氏が作った講座で韓国初のグリーンデザイン講座)の学生の作品と、ユン氏の作品が展示されていました。同展のタイトルは、グリーンデザインこそが真のグッドデザインデアルというメッセージを込めたもので、ユン氏の講演も、個々のデザインのテクニカルな説明より、同氏の生活信条(アパートの3階にある自宅から、毎日自転車を担いで階段を昇り降りして、自転車通勤をしていることなど)や環境問題に対する考え方の説明に、多くの時間が割かれました。

そのため講演では、同氏が手がけたデザインの紹介だけでなくパフォーマンスの例、例えば、新聞社の発行部数水増しのために、販売されることなく捨てられる新聞紙を拾っては、それに絵を描き、行く先々で新聞社同士の不正な競争を告発して回ったエピソードや、具体的な用途も決まらないまま埋め立てが進む西南海(アジア最大の干拓だった)で、埋め立て工事開始前も開始後も、破壊される(た)生態系の大切さを訴えるパフォーマンスを行った話にも、時間が割かれました。

いわゆる脱原発運動にも協力しているユン氏は、胎児の超音波断層撮影映像を放射線マークのように並べることで、後世にまで残る負の遺産への懸念をアピールする作品も作っているのですが
http://vimeo.com/39629081
https://picasaweb.google.com/110276236141169187570/20121224?authuser=0&feat=directlink
(画面左側に並ぶ文字は、国名と、その国で稼動している発電用原子炉の数です)
脱原発の国際会議に参加したときの感想として、
「(大きな問題の)一部だけを大きく取り上げているような印象を受けた」
と、講演の冒頭で述べた反省と同様、バランスの悪さを指摘していました。
実際ユン氏は、再生可能エネルギーの普及を訴えるポスターのデザインでも、単にエネルギー供給の変革をアピールすれだけでなく、”節約”の大切さもアピールしています。下記のURLがそのポスターですが、顔の周りの矢印の傍らに書かれいるハングルは、太陽光、節約、水力、節約、地熱・・・というように、再生可能エネルギーと、”節約”が交互に書かれているそうです。
http://www.greencanvas.com/msg4/message792/message792.html
更に節約については、「1/3にするのは難しいが、1/2なら難しくはない」と、ペンキの使用量を減らした路上サインのデザイン案など、具体的な実践例も紹介していました。また「環境汚染を減らしたいから」と、世界的な著名人であるにもかかわらず、よほどの必要性が無い限り、飛行機を使うような遠距離の出張は避けているそうです。
http://www.greencanvas.com/gallery21/025.htm
http://www.greencanvas.com/gallery26/008.htm

ともすれば特定の問題だけに議論が集中しがちな、環境問題やエネルギー問題に深く関わりながら、常にバランスを大切にするユン氏は、環境問題の啓発や、いわゆる”環境にやさしい”デザインの実践だけでなく、民間企業や個人からの記念品製作依頼など、”グリーン”とは直接関係の無いデザインも手がけていますが、彼はそこでも廃品を利用するなど、環境問題への注目をさりげなくアピールしています。
http://www.greencanvas.com/gallery21/023.htm
講演の最後にユン氏は、ある女性からの、「長年勤めた鉄道会社を退職する父に贈る記念のトロフィーを製作して欲しい」という依頼について触れ、「あまりにうれしくて電話を受けながらその場でデザインを描き始めた」と、そのときのエピソードを嬉しそうに紹介していました。

国内外で数多くの実績を残した著名人であるにも関わらず、講演ではまず自分自身の反省から語り始め、結果のアピールよりも、問題に望む姿勢や、日常の生活態度や人々との関わり方について、多くの時間を割いて語ったユン氏はまさに、韓国を始め、日本や中国といった儒教文化圏において、

先生と呼ぶのに相応しい方ではないかと思いました。

思想や論理をアピールするばかりでなく、韓国だけでなく他のアジアの国々へも出かけて子供達と触れ合う時間を大切にして、
http://allabout.co.jp/gm/gc/197384/
著名人になった今も、事情によっては名も無い個人からの依頼(親への退職祝い)を喜んで引き受けるユン先生の活動は、何よりも、周囲の人達との誠実な関わりを大切にしているように見えます。その姿勢は、顕在化した特定の問題について特定の方法による改善だけを掲げる多くの社会運動に比べ、実は運動としても、幅広い立場の人達に耳を傾けてもらえる、安定して強靭な、正に「持続可能」な運動なのかも知れません。

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