さとうひろし 一有権者のブログ 

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zoom RSS 日本の大手メディアが伏せる「国際海洋法条約」

<<   作成日時 : 2016/07/15 21:59   >>

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先日日本の新聞各社は、フィリピン政府が国際海洋法条約に基づき提訴した仲裁裁定で、フィリピンと中国が領海を巡って争っている南沙諸島における、中国の領有権が否定された、というような報道が相次ぎましたが、調べてみると、一連の報道には、すくなからず嘘が含まれていることが分かりました。

私も国際海洋法条約の条文を確認してみたのですが、そもそも国際海洋法条約では、領海については仲裁裁定で決められない(当事国が裁定を拒否できる)規定がありました。

結論から言うと、今回はフィリピン政府が、条約の抜け穴を利用し、問題を領有権ではなく、中国が埋め立てを進めている南沙諸島上の岩礁が、「島」と言えるかどうかの裁定に持ち込み、間接的に、中国政府の主張を退けるのに成功したというのが真相のようです。
http://blogos.com/article/183352/

こうしてフィリピン政府は、島ではなく岩礁(=領有権は存在しない)→岩礁周辺には領海は存在しない、という間接的論法で、中国の領有権・領海の主張を退けたのですが、国際海洋法条約では第298条で、「海洋の境界画定に関する紛争」については、いずれの国も拘束力を有する解決手続を拒否できると定めれていて、中国が島と主張する場所が、岩礁と認定されたからといって、中国に、領海の境界を変更する義務が、直ちに生じるわけではなさそうです。
http://diamond.jp/articles/-/95522
https://tanakanews.com/160717china.htm

更に、今回の裁定は、当事者であるフィリピン・中国以外の国の、領海の主張にも、大きな影響を与える副作用をもたらしました。今回の裁定では、台湾が実効支配する太平島(滑走路がある広大なもの)も、岩礁と裁定され、南沙諸島における、台湾の領有権主張も否定しています。当然台湾政府は、裁定受け入れ拒否を宣言しました。
http://www.asahi.com/articles/ASJ7F3DJHJ7FUHBI00F.html
https://twitter.com/sohbunshu/status/753081966241648641

また、今回の裁定が、「判例」となると、日本の沖ノ鳥島はじめ、太平島よりはるかに小さい島々も、岩礁と認定される可能性が高く、日本の領海も、大幅な縮小を余儀なくされる可能性が高いです。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20160712-OYT1T50124.html

となると、フィリピン、中国、台湾以外の当事国(南沙諸島内で領有権を主張する国々)の反応が気になるところですが、日本のメディアは、これらの国々の反応を、一切報じていません。

しかし実際には、中国、台湾だけでなく、ベトナムも、今回の裁定受け入れを拒否している模様で、
https://twitter.com/sohbunshu/status/753712421760409600
カンボジア政府は、日本政府が水面下で、今回の裁定に賛成するよう要求してきたが、拒否したと、発表したそうです。
https://twitter.com/sohbunshu/status/753709088404418560

この問題で日本のマスメディアは、中国政府が一方的に悪で、フィリピン政府が全面的に正義であるかのような報道をしていますが、事はそう単純ではないようです。


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