テーマ:展示見聞

運慶

昨年のことになりますが、国立博物館で開催中されていた、運慶展を見に行きました。  運慶を初めとする、慶派と呼ばれる仏師達の作る仏像は確かに、他の派と比べ、形態としては写実的要素が強いですが、現代の言葉で言う、”描写”、”リアリズム”に満ちていたのは、やはり運慶の(直接指揮で制作された)仏像に限られるようです。  当時の支配層…
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ムチャするなあ(すごく良い意味で)

今日(正確には昨日ですが)東京ろう映画際で、"LISTEN"という映画を見てきました。 http://www.uplink.co.jp/listen/ ものすごくいい意味で「ムチャ」している映画でした。  物心ついた頃から音が聞こえない、ろう者にとっても、”音楽”というもの(聴者にとっての音楽とは全く別の、音を完全に排した…
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ポスターには描かれない本質(伊藤若冲展を見て)

 先月のことになりますが、東京都美術館で開催されていた、「生誕300年記念 若冲展」を見に行ってきました。作品の展示順やまとめ方は、学芸員がキュレーションしたのか首を傾げざるをない構成(見世物小屋)だったものの、それにもめげす会場内を3回まわってみたところ、本展のポスターに採用された、特異な作風の作品では分からない、伊藤若冲の奥深い底力…
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創作とは誇示に非ず(故・池田満寿夫氏の足跡を見て)

先日、熱海にある「池田満寿夫・佐藤陽子 創作の家」と、網代にある池田満寿夫記念館を訪れ、故・池田満寿夫氏が遺した作品群を見てきたのですが、変化に富み、Challenging だった彼の制作物は、いわゆる”作品”にありがちな、押しの強さ(ドヤ顔)、問い詰め、謎かけ、苦悩の表出、創造性(既成観念破り)の強調、人生や社会への眼差しのアピール、…
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備忘録:持続可能な漁業

11月13日に開催された、「魚から考える日本の挑戦」(主催:日経エコロジー、協賛:シーフードレガシー, 米国デヴィッド&ルシール・パッカード財団)を聴講してきました。 以下、登壇者の発言で、印象に残った内容を列挙しておきます。 生田興克氏(シーフードスマート代表理事、築地マグロ仲卸「鈴与」三代目店主): ・日本の漁業に客観…
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8/9追記:表現は道具。良くも悪くも

現在 IZU PHOTO MUSEUMで開催中の、”戦争と平和ー伝えたかった日本”展を見に行ってきました。展示内容については、「戦中・戦後の〈報道写真〉をテーマにした」と説明されていましたが、中身は、今で言う”報道”やジャーナリズムというより、むしろ「政府広報」と言うべきものでした。 会場全体を見て、まず心に浮かんだのは、「今と変…
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空虚を祀る神殿にて

 先日、パルテノン多摩で開催されていた、報道写真家・福島菊次郎氏の写真展を見に行ってきました。  私がまだ子供だった頃、テレビのニュースで見た話の現場の様子が撮影された写真の数々。私達の、現代の生活の犠牲になった人達を写した写真。礎ではなく、居なかったことにされた人達。  権力は、彼らを抹殺しようとした一方、新聞でも、後…
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美術館と言うより憩いの場

先日所用で金沢へ行った折り、金沢21世紀美術館へ行ってきました。友人のアーティストが「全部最低(展示作品について)!」と評していた美術館ですが、確かに芸術展示の施設としては、20世紀末に流行った「現代美術」を権威化する装置の域を出ず、21世紀に相応しいコンセプトは見出し難い状況でした。けれど、観光名所に忍者寺を擁する金沢市が、これからの…
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これは写真展ではない。良い意味で。

ダム建設で沈むことになる故郷を撮り続け、一時はテレビ番組でも取り上げられた「カメラばあちゃん」こと、増山たづこさんの回顧展「すべて写真になる日まで」を見に行ってきました。以前も、(確か作者本人存命の頃)都内で写真展を見た記憶があるのですが、今回改めて思ったのは、これは「写真」でも「視覚」表現でもないということ。敢えて分かり易く書けば、こ…
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絵画というより建築そのもの(応挙寺を見て)

先日、所用で兵庫県を訪れた折、日本海に面した香美町にある、大乗寺(通称”応挙寺”)を見学してきました。円山応挙が十代の頃、苦学する彼に大乗寺の住職であった密蔵上人が学資を支援したのが縁で、後年、絵師として名を馳せた応挙が、大乗寺客殿建築に際し、若い頃の恩返しにと、一門の精鋭を率いて大乗寺の障壁画、欄干の木彫りを手がけたのだそうです。 …
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技術はあるけど(産業界と同じ構図その3)

昨日、浅草のアサヒアートスクエアへ、福永敦の個展「ハリーバリーコーラス─まちなかの交響、墨田と浅草」を見に(というより聴きに)行って来ました。その内容は、個展のタイトルでもある、墨田と浅草界隈のあらゆる場所で収録した音の数々を、肉声による擬音で表現し、その肉声を記録した(数十は下らないであろう)音源を、暗い会場内に配置するという構成で、…
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産業界と同じ(コモディティ化するアート)その2

その1からの続き:企画のユニークさや、社会的意義は熱心に語られる一方、創った当人にとっての切実さはほとんど語られない。これは、SMFに限ったことではなく、おそらく、(カタカナで語られる)アート全般に言えるような気がします。私が、本末転倒だと感じた、「当人にとっての切実さ」の希薄さ。切実さを伝える姿勢が弱いのか、はじめから自分にとっての切…
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産業界と同じ構図(コモディティ化するアート)その1

今日、知人の紹介で、埼玉県立近代美術館内の展示室で開催されていた、SMF(さいたま Muse Forum)という団体の発表(SMFさんなすび展) を見てきました。埼玉県立近代美術館では丁度、ベン・シャーン展や、地元絵画グループの展覧会が開催中で、これらの会場に並ぶ作品と、さんなすび展で紹介されていたSMFの活動を比較することで、日本で、…
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加速する私達

昨日のことになりますが、東京は外苑前のギャラリー「ときのわすれもの」を久し振りに訪れ、長年の友人である井桁裕子氏の個展を見てきました。 これまでも、ユニークな作品を数多く発表してきた井桁氏ですが、その立ち位置は「人形作家」であり、言語的なストーリーやテーマをダイレクトに想起させる発表は、少なくとも私の記憶には残っていません。実在の…
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良くも悪くも身体が決め手(大野一雄フェスティバル2012より)

現在横浜で開催中の、大野一雄フェスティバル2012 の中で行われた公演を、二つほど見てきました。それぞれ、演出に趣向を凝らした公演でしたが、良くも悪くも、ダンサー達の身体表現力で全てが決まってしまうことが、強く印象に残った公演でした。 一つ目の公演は、大橋可也&ダンサーズと、空間現代による 「ウイスパーズ」と「断崖」の二本立て公演…
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勢いだけでは続かない(具体美術協会の末路)

先週、国立新美術館で開催されていた、”「具体」-ニッポンの前衛 18年の軌跡 ”を見てきました。全体的には、おおらかで、のびのびした印象の作品や記録ビデオが多く、今時の小難しい現代芸術とは、良い意味で違った趣が印象的でした。 http://gqjapan.jp/2012/07/03/nact/ ただ、それ以上の要素があるかという…
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要するに奢り2(ユニバーサルデザインシンポジウム聴講記)

6月29日、臨海副都心のメガウエイブで開催された、「ユニバーサルデザインシンポジウム 2012」に参加してきました。 各企業の発表は、その会社の”現場力”が反映された内容で良い勉強になったのですが、気になったのは冒頭の基調講演の内容でした。 基調講演は、産学連携推進機構理事長の妹尾堅一郎氏による、「デザイン起点型イノベーションとス…
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絵画に学ぶ即興(連休美術展巡り その2)

先の連休中はもうひとつ、「生誕100年 ジャクソン・ポロック展」も見に行ってきました。 彼が20年以上に渡る創作活動の末に辿り着いたアクション・ペインティング、とりわけ彼の名を世界に知らしめた、オールオーヴァーと呼ばれる、画面のどこにも重心や方向や構図らしきものを作らない作品について遺していた言葉が印象的でした。 キャンパス…
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5/11追記:色彩の説得力/言葉の胡散臭さ (連休美術展巡り その1)

先日の連休では、三つの美術館に行きました。一つ目は、東京都現代美術館で開催されていた「靉嘔 ふたたび虹のかなたに」  およそ40年、基本的な方法論を変えずに制作を続ける靉嘔(5月に81歳になる今も現役の作家)氏の回顧展。虹色で描くと言っても、作品の多くはオレンジと緑色が印象が残るように配色されていて、統一感、安定感がありました。見…
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1/12追記:置き去りにされてきた問い(最近見た展示から) その2

ところで、今月初めに開催された東京モーターショーですが、会場が千葉県幕張から臨海副都心の東京ビックサイトに変更されたせいか、前回を上回る入場者数だったそうです。しかし、子供の頃から東京モーターショーに通い続けている私にとっては、残念ながら既視感あふれる内容でした。 展示されている技術は確かに、毎回進歩はしているものの、取って付けた…
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置き去りにされてきた問い(最近見た展示から) その1

先日、目黒区美術館に、「DOMA秋岡芳夫展 -モノへの思想と関係のデザイン-」を見に行ってきました。デザイナー、あるいは作家としての、秋岡芳夫氏の作品を数多く集めて展示した意欲的な企画でしたが、私達が彼の業績から学ぶべきことは、作り手としての彼自身の仕事や、伝統的な手仕事の再評価活動なのか?考えさせられる部分がありました。 日本の…
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語らぬ存在感と語る空虚さ

ここ一週間ほどの間に、都内での所用の合間、二つほど作品展を見て回りました。 一つ目は、銀座のステップスギャラリーで開催中の、串田治さんの個展。 (上記URL上では、色の階調がかなり単純化されてしまっているので分かりにくいですが)それこそありとあらゆる色相、明度、彩度の組み合わせ。デザインの入門書に書いてあるような色の組み合わ…
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音にも通じる絵画論(磯江毅さんが遺した言葉)

先日、練馬区立美術館へ、「特別展 磯江毅=グスタボ・イソエ マドリード・リアリズムの異才」を見に行って来ました。 http://www.museum.or.jp/modules/topics/index.php?action=view&id=43 磯江毅さん(1954-2007)は、極めて写実的な絵画作品で知られ、作品の大半を制…
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皮だけ剥がれた岡本太郎

東京国立近代美術館へ「生誕100年 岡本太朗展」を見に行ってきました。 http://taroten100.com/index.html 良くも悪くも、予想通りの内容でした。  岡本太郎の回顧展には、これまで2回ほど足を運びましたが、それらと比べ、今回は特に新しい切り口も見当たらず、というよりむしろ、以前よりも作品の形態や色彩…
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学術交流というより思想集会?(新日本未来学会シンポジウムに参加して)

先週末のことになりますが、新日本未来学会という団体の、2010年度シンポジウム「~持続可能なくらしとコミュニティの未来」 を聴講してきました。 シンポジウム前半は、俗にエコビレッジと呼ばれる集落の開発事例が中心でした。エコビレッジとは、人間の生活に伴う物質の循環が、出来るだけその地域内で完結するように自給自足と地産地消を推し進め、…
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開拓者精神(アメリカの良い所は輸入しない日本の支配層)

先週の金曜日、日経デザイン主催の、ユニバーサルデザインビジネスシンポジウム2010というイベントへ行ってきました。内容の大半は、日経グループの企画だけあって、生業として工業製品開発をやっている人以外には縁遠い内容でしたが、イベントの最初に行われた基調講演だけは印象に残りました。 基調講演に招かれたのは、Emily Pilloton…
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絵画ならではの強み(久松温子展を見て)

先週のことですが、久松温子さん http://ku-on.net/index.html の作品を、久しぶりに見に行きました。 彼女の作品を初めて見たのはもう20年位前。初めは本の挿絵として作った作品展も開いていたような記憶がある。対象の形態を大胆にデフォルメした作品のみの個展になってから、確か15年位。  正直に書くと、…
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要するに集金装置?

先月末、「トーキョーワンダーサイト渋谷」というところ http://www.tokyo-ws.org/shibuya/index.html で開催されていた、「Double Vision」展 http://www.tokyo-ws.org/archive/2010/01/double-vision.shtml というのを見てきま…
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良くも悪くも「手段」でしかない

先日、東京での所用ついでに、電子メディア・アートの関係の2つの展示を見てきました。 一つは、初台のICCインターコミュニケーションセンターで開催されていた オープンスペース2009 http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2009/Openspace2009/index_j.html と、可能世界空…
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ヨーゼフ・ボイスの挑発①

先月のことになりますが、茨城県の水戸芸術館 http://www.arttowermito.or.jp/index.php へ、ヨーゼフ・ボイス(JOSEPH BEUYS)の回顧展「Beuys in Japan:ボイスがいた8日間 」 http://www.arttowermito.or.jp/art/modules/tinyd0…
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