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zoom RSS 本物に「論」は無用

<<   作成日時 : 2009/07/29 22:36   >>

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高橋悠治さんが友人さがゆきのために書き下ろした新曲の初演だった、先日(7/27)の「眼の夢」ライブ
http://hiroshi-s.at.webry.info/200907/article_2.html

音楽事務所のサポートがあった訳でもなく、出演者の中では一番有名な高橋悠治さんのホームページでも、スケジュール覧に小さく掲載されただけなのに、会場は立見が出るほどの盛況。他のライブハウスのオーナー達まで、演奏を聞きに来ている。さがゆき一世一代の大勝負は大成功でした。

曲の演奏(特に第2部)でも、完全即興でも、彼らの演奏は(西洋近代音楽で言う)不協和音バリバリの、音色でいえば紛れもなく現代音楽であったにもかかわらず、何とその響きの綺麗なこと。おまけに程良い余白がある。現代音楽やクラシック音楽にありがちのわざとらしい休符ではなく、その場の演奏から自然に生まれる圧迫感の無い透明な音空間。

ある観客はその空間で「水面に浮かぶ影が、揺れている情景が目に浮かびそれがいつまでも消えませんでした。」と語り、また別の観客は「視界には池や野原の情景が、幼かった頃の自分が、見えてました。」と語り、さがゆきとしばしば共演する、あるギタリストは「始まったとたん、渇きが満たされるような気持ちでじわ〜っと涙が出て、そのあとずっと楽しい気持ちで、本当に良かった。」とコメントを残していった。みんな、自分の意志で現代音楽を聴きに行くことなど決して無い人達なのに。

高橋悠治さんのピアノ演奏は、年齢からは信じられないスピードと端正なタッチだけでも驚異的でしたが、「譜面命」のクラシック・現代音楽の第一人者である高橋悠治さんが、「第一人者」から解き放たれたように、フリージャズ顔負けの自由で軽やかで多彩な即興演奏を展開したは、この夜はじめて耳にしました。

そのピアノが描く音世界を、一瞬たりとも汚さない山本達久君(まだ20代)のパーカッション。音そのものは、シンバルをスティックでひっかいたり、かなり刺激的な音もあるのにそれがまったく嫌味にならない。この美意識の高さは、天才的と言う他ないです。彼は普段、「ハードコア系」のプレーヤという括りで紹介されるけど、そんな狭い世界はとっくに抜け出しています。

そして、この2人を組み合わせた仕掛け人が、さがゆき(本人は大っぴらに言いたがりませんが)。彼女がいなければ彼ら新旧の天才二人は、一生接点を持ち得なかった。さがゆき自身も本領発揮の自由奔放(かつ技術的には正確無比)のヴォイシング。

本当に優れた前衛は、理屈抜きに楽しく、美しい。理屈が前に出るのは、表現力が乏しい証拠。バックボーンが全く異界のこの3人に、共通の理屈など何もない。それに比べて、巷に溢れる「現代音楽」・「コンテンポラリ」の、何と窮屈で押し付けがましく淀んでいることか?


ちなみに今夜のプログラムは、下記の通り
<1部>
1、高橋悠治:曲、岡真史:詩「ぼくは12歳」(高橋悠治、さがゆき)
bP みちでばったり
bT へや/ちっこい家
bW リンゴ
2、パーカッション・ソロ(山本達久)
3、Improvisation(高橋悠治・さがゆき・山本達久)
・・・・・・・・・・・・・・・休憩・・・・・・・・・・・・・
<2部>
1、Pianoソロ(高橋悠治)
2、パーカッションと声のduo(さがゆき、山本達久)
3、高橋悠治:曲、詩「眼の夢」…初演(高橋悠治、さがゆき、山本達久)
4、Improvisation(高橋悠治・さがゆき・山本達久)

以下は、このライブの模様を綴ったさがゆき本人の日記です。
http://www.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=28777&log=20090728

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