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zoom RSS 開拓者精神(アメリカの良い所は輸入しない日本の支配層)

<<   作成日時 : 2010/06/21 02:39   >>

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先週の金曜日、日経デザイン主催の、ユニバーサルデザインビジネスシンポジウム2010というイベントへ行ってきました。内容の大半は、日経グループの企画だけあって、生業として工業製品開発をやっている人以外には縁遠い内容でしたが、イベントの最初に行われた基調講演だけは印象に残りました。

基調講演に招かれたのは、Emily Pillotonというアメリカ人で、Project H Design という、生活弱者や貧困地域で(も)活用できる、低コストと利便性を両立させた、製品や環境改善策をデザインする組織を創立した人でした。彼女は見たところ、まだ30歳前後の若い女性ですが、彼女のグループは設立から27ヶ月(2年ちょっと)で22のプロジェクト(100以上のデザイン)を完成させ、おまけに数百万ドル(数億円)の予算で10万ドル(900万円強)の利益を挙げたとのこと。プロダクトの利用者(支払い能力が乏しい人々)が直接対価を払った訳ではないでしょうが、モノつくりの事業としてはなかなかの利益率です。

貧しい人々のためにこそ優れたデザインを、という活動は、近年日本でも報じられているので、彼女の発想自体に、目新しさは無いのかも知れません。けれど彼女の事業が、方針を明確にした組織運営で、継続的に成果を挙げ続ける体制を作ったという点において画期的なのは、おそらく間違えないでしょう。

彼女はプロジェクトを進める上で大切な事として、

1.Design through action (机に向かってあれこれ考えてないでまず行動しろ)
2.Design systems, not stuff (モノではなく仕組みを創れ)
3.Design with, not for (誰かのため(に自分の頭で考える)のではなく、(利用者と)共に創れ。)
4.Start locally and scale globally
5.Document, share, and measure (記録を残して共有しろ、そして(定量的に)評価しろ)
6.Build(実際に作ってみること)

の6項目を挙げていました。1,4,6,については、これまでも言われてきたことですが、モノ造りがゴールであるプロジェクトでも2.を重視するのは、成果に発展性を持たせる上で重要でしょうし、プロジェクトに関わる者が、プロジェクト終了後のことにも責任を持つ姿勢を明記したという意味で斬新だと思います。また3.もユニバーサルなデザインを実現する上では欠かせない要素ですが、利用者の意見に積極的に意見を傾けるという従来のデザインから一歩踏み込み、デザイナー主導ではなく共同作業をポリシーとして明文化した点は斬新だと思います。5.において、定量評価を意味する"measuare"を、(エンジニアではなく)デザイナーに科した点も斬新です。これは実際、なかなか厳しいポリシーです。

彼女が、プロフェッショナルとして非常に優秀なのは、恐らく間違えないでしょうが、日本国内で話題になり易い「優秀な人材」と比べて際立っているのは、行動力と開拓者精神ではないかと思います。上の世代の偉い人が注目しない(と言うより目をそむけている)こと、それも常識的には金になりそうもない仕事に敢えて挑む集団に、お金が流れてプロジェクトが動く(どころか利益も出る)というのは、日本では滅多に聞かない話です。

昨今の日本の世相なら、こうした志を持った人材は、「左がかった奴」と冷ややかな目で見られるのがオチですが、アメリカ社会では例えば、Democracy Now のように、日本における「日本共産党」のような言論を展開する組織が、非営利のニュースチャネルとして成り立っています。世界中で最も「反共」だったアメリカ合衆国なのに。

日本の財界人や政治家や官僚は、アメリカ社会の貧富の差を深刻化させた政策など、悪い所は一生懸命真似しようとしますが、その一方で、金になりそうには見えない未開の地へ踏み出そうとする開拓者精神に溢れる者や、反体制の烙印を押されることも厭わず民主主義の理念を守ろうとする者に手を差し伸べようとする、アメリカ社会の良い点を日本にも広めようと行動する人は皆無です。実際はそういう気持ちの人も居るのでしょうが、表舞台に立つことができない。

日本の政治家や官僚が、今までのように、アメリカの悪い所だけを真似る政策を続ければ、日本は間違えなく、マクロ経済指標でも没落し、個人生活でもアメリカ以上の貧困大国になるでしょう。


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