さとうひろし 一有権者のブログ 

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zoom RSS 要するに奢り

<<   作成日時 : 2012/05/22 23:59   >>

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今日、ある会合の後、日本のモノ作りはどうなるんだろう?という世間話になりました。自動車も電気製品も、特に後者は世界的に見れば中国・韓国ブランドが幅を利かせ、日本ならではの高品質なモノ作りはどうなるのかと。けれど良く考えてみると、日本ならでは、というのは迷信に過ぎないのではないかと思います。

数年前まで、世界中に商品を輸出していた企業に勤め、何度も製造現場の方からお話を伺った経験から言えば、日本のモノ作りは、日本人とか日本文化の独自性で養われたのではなく、少なくとも私が就職した1980年代半ば以降は、むしろ逆の、誰でもやればできる方法を育てて行った賜物と言っても差し支えないでしょう。

大雑把に括ってしまえば、いわゆるQC活動の成果ということでしょうが、問題を言語化し、数値化し、共有し、その改善策は、誰もが同じく理解できるように、言語化し、数値化し、必要に応じて図やグラフや画像でビジュアル化する。
製造現場に近いほど、業務上のコミュニケーションからあいまいさが取り除かれ、論理的になって行く。それを、パートタイムの従業員も含めて実践する。

生産拠点の海外展開でもそれは同じ。特定の文化に依存しない方法を育てたからこそ、時間はかかったけれど海外(とりわけ中国)にも広まっていった。

メディアは財界人は、中国に日本の製造業が脅かされているような言い方をするけれど、実際には、日本企業の経営者が、日本企業の金儲けのために、生産の海外シフトや設計の現地化を進めたから、つまり、前世紀末の日本の製造業、特に大手メーカーの経営戦略が、思惑通りに進んだ結果。

なのに、今の状況をつくりだした張本人たちが、被害者ヅラをするのはなぜか?
彼らが奢り高ぶっていたからだと思います。進出先の国の人たちをバカにしていたからです。

彼らに自分達が苦労して築いた技術や技能や管理術を継承できる訳が無い。
ましてや彼らに、自分達の先を行く技術の開発などできる訳が無い。
彼らには自分達のような向上心も勤勉さも無いのだから。


そればかりか、日本企業はモノ作りに長けていた一方、それ以外の部分では決して長けていないという現実を忘れてしまった。技術的には日本企業の後追いに過ぎなかったiPodが、iTuneの発売で世界的なスタンダードになったのは、その典型事例でしょう。

アップル社は、企業としての生き残りと、自社のアイデンティティ維持のため、パソコンメーカーから、事実上、携帯機器のメーカーに変身し、一部のマニア向けのパソコンメーカーから、世界有数のITメーカーに成長しました。

一方日本のほとんどの電機メーカーは、AV専業で総合家電よりはるかに小回りが利くはずのソニーでさえ、過去のモノ作りに囚われ、自らのアイデンティティさえわからなくなり、だらだらと巨額の損失を引きずることしかできなく(最近相次いで発表された再建策ですら、既に競争力を失った事業の復権という神風が前提)なってしまいました。アイデンティティが無い、どころか、自らのアイデンティティを問う姿勢すら無いから、不採算部門の切捨ては出来ても、それに代わる創造が出来ない。社員から無数と言っても差し支えないアイデアが出ているのに評価が出来ず(過去の栄光を賞賛しない社員は冷遇する)、投資先を決められない。それどころか、伝え聞く話によれば、アイデアを守ることすらせず(アイデアを出した人間に褒章を与えないし機密にもしない)、他社(海外企業も含む)との世間話のネタにしてしまう。


すべては(とまで書いてしまうと差し障りあるかも知れませんが)、日本の経済界の指導層の奢りが生んだ結末です。日本企業が自らの金儲けのために行った海外進出で促進された中国の経済競争力を、脅威扱いしたところで、何も生まれません。私達は自らの儲けのために、自らの過去の成功の原動力を、海の向こうの人達に託したのですから、私達自身は、過去の栄光から決別する以外に、生きる道はありません。

今、財界や政治家、官僚に求められる責任は、自動車や家電の製造に頼らない、日本の経済運営です。過去の栄光にすがるのは、彼らが自らの地位を保つための、怠慢でしかないと思います。


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内 容 ニックネーム/日時
世界観には興味が持てない。
つじつまの合わないこの世に関する内容は、絵空事である。
この国には何でもあるが、ただ、夢と希望がない。
国民には、新しい世界に移り住むという考えがない。

だから、目先・手先に神経を集中する。
細工物は仕上がりが良い。
品物が海外にも売れる。金が貯まる。だが、未来社会の建設はない。
金は手段ではなくて、目的なのであろう。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://3379tera.blog.ocn.ne.jp/blog/

noga
2012/05/25 01:57

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